8月末に実家の両親の長寿祝いの会をした。
久々に家族・親戚が集い、楽しいひと時を過ごすことができた。
会食したのは日本料理店。
以前両親と3人で訪れ、季節にあったお料理を美味しくいただいた時「またみんなで来ようね」と約束していたのだった。
若者5人と、年配者6人に分かれて食事が進んだ。
一品ずつ丁寧に繊細に料理され、次に何が出てくるか楽しみだった。
すると、土瓶が運ばれてきた。
(もしかして、土瓶蒸しか?)
大昔、京都で家庭教師をしていた時、教え子のお父さんがお店でご馳走してくれたのをふと思い出した。
大学生には初めてのことで強烈な体験だった。
若者テーブルでちょっと戸惑ってる風だったので、父が「出汁から飲むんやで」と声をかけていた。
「土瓶蒸し」とは急須の形をした土瓶で作る蒸し料理のこと。
昔農夫が山で採れた食材を食べようとした時、鍋がなかったので代わりに土瓶を使ったのが始まりと言われている。
香りを閉じ込めるよう、蓋をした状態で出される。
食べ方
1 お猪口に出汁を注ぐ。
2 お猪口に鼻先を近づけて松茸の芳醇な香りを楽しんだら、口をつけて出汁をいただく。(2〜3杯)
3 蓋を開けて香りを味わったら、スダチを絞る。
4 具材をいただく。
つい蓋に手を触れそうになるけれど、そこは我慢我慢。
まず、しっかりと松茸のお出汁を味わおう。
独特の香りが上品なお出汁にしっかり溶け込んで、幸せ気分になる。
(滅多にお目にかかれないものね)
スダチの香りがアクセントになって、また美味しくなる。
具材はハモ、蒲鉾、三つ葉など。
日本料理はやはりお出汁で決まりだな。
たまにはお店で美味しいものをいただいて、非日常を楽しむのもいいな。
遠方から駆けつけてくれたみんなとも勢揃いできて、両親も大喜び。
いい1日だった。