アリスの雑記帳

日々是好日

「春の海」を合奏で聴く迫力❗️

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和楽器のイラストを並べてみた。

 

昨日は現代邦楽の演奏会を聴きに行った。

今年は会場がほぼ満席で、アンコールの拍手が鳴り止まず大いに盛り上がった。

コロナ禍でいろいろ制約があり、音楽に飢えている人が多いのかも。

 

邦楽と聞けば、箏と尺八、三味線を思い浮かべるだろう。

けれども、このグループ「香川現代邦楽研究会」は打楽器や琵琶、胡弓などが加わり、演奏にダイナミックさと奥深さを味わうことができる。

アンサンブルの響きを思い切り堪能できる演奏会なのだ。

 

全6曲のプログラムの中で特に印象深い2曲を紹介する。

まず「春の海」だ。

宮城道雄さんの名曲で、お正月には必ずどこかで流れている箏と尺八の二重奏曲。

それを邦楽アンサンブルのために再編成した曲が演奏された。

胡弓(弓で弾く)の音色で主旋律が始まり(とても心地よい響き)、春の穏やかな海がだんだん賑やかな海に変化していく。

しちりき(まろやかな音色)や琵琶も混じって、複雑に音を編み上げていく。

途中で締め太鼓(台に置いてばちで打つ)の奏者が太鼓を肩に乗せた。

「いよっ」ポン、「はっ」ポンと気持ちのいい声と音が間に入っていく。

鼓(つづみ)のように太鼓を使ったようだ。

知っているはずの曲なのに、全く違う華やかな「春の海」となり、光を浴びて輝く海の様子が頭に浮かぶ。

アレンジの力の素晴らしさに脱帽!

 

次は「花のように」だ。

二十五絃演奏家の中井智弥さんの作曲。

箏は十三絃の楽器だが、十七絃という低音楽器もある。

そして1969年に二十絃が生まれ(ドレミ音階が自由に弾ける)、1991年に二十五絃が誕生した。

尺八と二十五絃の二重奏を聴く。

グループ選りすぐりの二人の演奏はいつも楽しみだ。

世阿弥の「花は心」という言葉をモチーフにした曲。

主旋律が繰り返され、だんだんと高揚していく。

二十五絃はまるでハープのように幅広い音域を紡ぎ出す。

尺八もあらゆる音色を創り出し、一体感が増してくる。

ゆったりとした気分でリズムとメロディーを味わいながら聴き惚れた。

 

以上が個人的な感想。

周囲の人たちも「よかったねぇ」と言いながら、満足そうに会場を後にしていた。