うどん県(香川県)は日本一小さい県だ。
それでも東と西では方言に違いがある。
私は西讃で生まれ育ち、京都で4年間過ごし、高校教員として東讃の学校に赴任した。
西の端から東の端への大移動である。
いきなりのカルチャーショック。
言葉が通じないし、わからない。
(同じ讃岐弁やろ?何が違うん?)
職場でのエピソード
《その1》
「〇〇しまい」と言われて、何をかたづけるのかと思った。
どうやら「〇〇してください」「〇〇してみなさい」という意味らしい。
西では「〇〇してご」と言ってた。
生徒に言ったら、全く通じない。
《その2》
「〇〇していた」と言われ、固まってしまった。
(板がどうしたん?えっ、何か痛いの?)
「お茶いた」→「お茶ください」と使うようだ。
西では「いた」の代わりに「つか」を用いる。
「おばちゃん、お菓子つか」と駄菓子屋さんでよく言ったものだ。
家でのエピソード
《その1》
近所のおばちゃんに「何がでっきょんな」と言われてさっぱりわからず、何も答えられなかった。
家族に尋ねると「挨拶の言葉や」と。
「こんにちは」とか「調子はどう?」などに言い換えられる。
そして「なんちゃでっきょらん」と答えるのがいいらしい。
(へぇー。ふーん。そうなのか)
《その2》
義母に「これつまえとってな」と言われた。
もしかして「片付けとってな」かな。
何となく理解できた。
「つまえる」は「片付ける」という意味の徳島方言。
近いから徳島の影響も受けてるんだな。
普段の会話の中でよく使われる語尾は「〜けん」。
西では「〜きん」だったなぁ。
語尾の違いはあまり会話の内容に影響しないので、徐々に慣れていった。
県外の人にわからない方言を一つ。
「おとっちゃま」はお父様ではなく、「臆病者」という意味の言葉。
当たり前に使っていても、地域限定の言葉はたくさんある。
通じなくて初めて方言なんだと思い知る。
だから言葉って、方言って面白い❗️