昨日9月9日月曜日、19時演奏会が始まった。
現代最高の女性指揮者と名高いマリン・オルソップ率いるウィーン放送交響楽団。
そしてソリストには話題のピアニスト、角野隼人(すみのはやと)を迎えた。
会場はいつもより若い女性客が多いと感じた。
(やはり人気者のおかげかなぁ)
プログラムはジェシー・モンゴメリーが2012年に作曲した「ストラム」からスタート。
元々弦楽四重奏のための曲。
ステージは弦楽器だけの編成。
弦の響きが幾重にも重なり、音を深く広く体の奥底まで届けてくれる。
初めての体験だった。
次がお待ちかね、角野さんの登場だ。
彼がCateen(かてぃん)名義で活動するYouTubeチャンネルは登録者が130万人超え、総再生回数は1億回を突破。
只者じゃない。
演奏会を知ったのは遅く、チケットは3階席しか取れなかった。
はるか上から舞台を見下ろす感じだ。
1788年モーツァルトが32歳の作品。
1790年、神聖ローマ皇帝レオポルト2世の戴冠式の祭典で演奏され、「戴冠式」という愛称で呼ばれるようになった。
でも謎が謎よぶ名作で、多くの部分でピアノ独奏部の左手パートが書かれてない。
カデンツァ(自由に即興的な演奏をする部分)がソリストに任せられ、自由度の高い曲だ。
まさに角野さんにピッタリ❗️
鍵盤を右から左、左から右と流れるような指の動きは、寄せては返す波の動きを連想させられた。
しなやかな動作で繊細な音から力強い音まで紡ぎ出す。
彼の頭上では音符たちが渦のようにくるくる舞っている。
時々左手をポンと弾いて、音をプラスしているようにも見えた。
自由で軽やかな演奏が、モーツァルトのきらきらした華やかな曲と一体となり、素晴らしかった。
アンコールの拍手は鳴り止まず、再登場。
ガーシュインの「アイ・ガット・リズム」は結構激しく鍵盤を叩くジャズの曲だ。
思いがけないジャズのリズムに体が弾んだ。
章ごとにテーマの旋律が繰り返される。
「のだめカンタービレ」を思い出して懐かしく、楽しく聴くことができた。
アンコールは2曲。
アイゼンドルの「アツィンヘイラ」より「ダークグリーン」。
現代作曲家なので、どこに向かうんだろうと思わせる不思議な曲だった。
2曲目はヨハン・シュトラウス2世の「シャパン・ポルカ」。
19世紀の楽しい曲で、曲の途中でシャンパンの音が鳴るらしい。
ティンパニ奏者が時々紙筒から白い玉?を「ポンッ」と発射するたび、客席から笑いが漏れる。
楽団員も演奏しながら足を踏み鳴らす。
指揮者のオルソップさんまで指揮棒を筒に変えて客席に向かって発射!
遊び心いっぱいで大いに盛り上がって終演となる。
21時過ぎ、余韻をかみしめながら駐車場へ。
空にはちょっと太った三日月。
秋を感じた。
今夜は熟睡できそうだ。