日曜日に夏井いつきさんの「句会ライブ」に初参加した。
10月に前売り券が発売された時、テレビでよく拝見する夏井さんなので、せっかく近くに来てくれるならとすぐに購入した。
(前から3番目の席を確保!)
市長の挨拶の後、いよいよ夏井さんの登場。
「俳句の種まき運動」のひとつとしてライブをしているとのお話。
「句会ライブがどんなものか知らずに来た人ー?」という問いかけに大多数の人が手を挙げる。
「みなさん、正直やね。みなさんはチームすその(俳句初心者の総称)だね」
(うんうん)
「前のマダムたち、わかりやすくうなずいてる」
軽妙なやり取りで会場にあっという間に溶け込んでいる。
さすが、いつきさん。
中には俳号を持ってる人や、習っている人も混じってたけど、ごく少数。
手元には「俳句を作ろう!虎の巻」というプリントと投句用紙が1枚。
(もしかして作るのかな?)
簡単に作れる魔法の技「取り合わせの型」の説明があり、一例として市長がいけにえとなる。
いつき「今日のお昼ご飯は?」
市長「焼きそば」
い「この中で昼に焼きそば食べた人は?3人ね」
い「何焼きそば?」
市「とんこつ焼きそば」
(えぇー!という声が会場のあちこちで聞こえる)
市「コンビニのカップ焼きそばを買ってきて市長室で食べました」
い「市長がコンビニの焼きそばだって」
い「とんこつ焼きそば食べた人は?市長1人。他に誰もいないなら、これが俳句のタネになりますね」
「(コンビニのカップ焼きそば)これに季語をつければ完成だよ」
例えば「冬うらら」とかね。
「コンビニのカップ焼きそば冬うらら」
(みなさん、なるほどと感心するばかり。もちろん私も)
「1日一句、5分間俳句を考えると認知症予防になるのよ」
「10年後にはこの街は医療費がかからない街になるわね」
などと話されるいつきさん。
そして作ってみようということとなる。
①「俳句のタネ」を見つける。
②季語とは関係のない十二音のフレーズを整えて「俳句のタネ」を作る。
③俳句のタネに似合っている五音の季語を探す。
④一句できました!別紙の投句用紙に書いて提出しよう。
会場中がちょっと騒然となり、みんな頑張って5分間考えて何かを捻り出す。
いつきさんはステージ上で選別。
一瞬で見分けられるなんて、経験の成せる技でしかない。
さすがやなぁと見惚れてしまう。
しばらくたって、入賞者の句が発表され、それぞれが句への想いを語る。
次にスクリーンに特選七句が映し出される。
そして、好きな句について挙手をして褒めるという活動が続く。
褒める人は自分の解釈も加えつつ、共感した部分を説明する。
聞いていて、なるほどそうなのかと思うこともしばしば。
これが句会ライブなんだとようやく気づいた。
最後に好きな一句に拍手をするという形で優勝者が決まる。
その後で、作者が立ち上がり自分の句について語る。
いつきさんの会場中を惹き込むトークには脱帽だ。
あっという間の2時間半は、とても充実したものになった。
「楽しくないと俳句じゃない!」という合言葉はいつきさんそのものを表しているように感じた。
俳句が身近に感じられて、楽しい句会ライブだった。